涙の聖母(シラクサ) - The Sacred Secret
聖母

涙の聖母(シラクサ)

ナクレ・マドンナ・デッレ・ラクリメ
Madonna delle Lacrime di Siracusa(伊)/ Our Lady of Tears of Syracuse(英)
◆ 年代1953年8月29日(涙の奇跡)
◇ 出身地シラクサ(シチリア島・イタリア)
◆ 祝日8月29日(涙の記念日)
◇ 守護分野シラクサ市、苦しむ人々、難病の人々
◆ シンボル
涙を流す聖母像(石膏浮彫) 涙の雫 聖心
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Life / 崇敬の歴史

「涙の聖母」の崇敬はイタリア・シチリア島のシラクサに端を発します。1953年8月29日の夜明け前、シラクサのアントニエッタ・ジャンニュッソという若い女性の寝室の壁に掛けられた小さな石膏製の聖母像が涙を流し始めたと報告されました。アントニエッタは妊娠中に重篤なけいれん発作を繰り返しており、その日の朝に突然回復したことも合わせて証言されています。

涙の流出は断続的に続き、近隣住民・聖職者・警察・医師・科学者など多くの証人が目撃しました。1953年9月6日に採取された液体はパレルモ大学の法医学・化学研究所で分析され、「人間の涙の成分と一致する」という公式鑑定が下されました。シチリア司教団は1953年9月13日付けの共同宣言で奇跡を公式に認定し、教皇ピウス12世も同年10月のラジオ放送でこの出来事に言及しました。

その後シラクサには大規模な聖堂「涙の聖母大聖堂(Santuario Madonna delle Lacrime)」が建設され、1994年11月6日に教皇ヨハネ・パウロ2世が親しく訪れて奉献しました。現在も世界中から巡礼者が訪れ、数多くの奇跡的治癒が報告されています。

Episode / エピソード・伝承

教皇ヨハネ・パウロ2世は1994年の訪問の際、「なぜ聖母は泣くのか」という問いを自ら立て、「人類の苦しみのゆえに、また罪のゆえに、そして信仰が危機にある時代のゆえに泣く」と説きました。この言葉はシラクサの聖所を訪れる巡礼者たちの間で今も繰り返し引用されています。

元の像はわずか縦29cm・横21cmという小さなレリーフ(浮彫)で、当時は新婚夫婦への結婚祝いとして大量生産されていた廉価な石膏像でした。その素朴さゆえに「最も貧しい人の家にも聖母は宿る」という普遍的なメッセージとして受け止められ、世界各地で「涙の聖母メダイ」が広まりました。

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