聖女

聖バルバラ

バルバラ/バーバラ
Santa Barbara(伊・西)/ Saint Barbara(英)/ Sancta Barbara(羅)
※ 聖バルバラの生涯は後世の伝承に基づくものが多く、歴史的文書による裏付けは限られています。1969年の典礼暦改定でローマ普遍暦から外されましたが、地域教会での崇敬は今も続いています。「十四救難聖人」の一人として中世より広く崇敬されてきました。
◆ 年代3世紀〜4世紀頃(殉教年不詳)
◇ 出身地小アジア(現トルコ)・ニコメディア近郊(諸説あり)
◆ 祝日12月4日
◇ 守護分野砲兵・消防士・鉱夫・炭鉱労働者・花火師・建築家・突然死・雷・要塞
◆ シンボル
三つの窓を持つ塔 聖杯と聖体 孔雀の羽根 棕梠の枝
聖バルバラ

attr. Crispijn van de Passe (I), S. Barbara, 1574-1637
Rijksmuseum, Amsterdam. Public domain.

Life / 生涯

バルバラの生涯は主に伝承によって伝えられている。彼女は3世紀から4世紀頃、小アジアの裕福な異教徒の父ディオスクロスのもとに生まれた。その美しさゆえ、父は彼女を塔に閉じ込めて外界から隔離した。しかし塔の建設中に秘密裏にキリスト教の信仰を持つようになり、父に命じて塔の窓を2つから3つに増やさせた。これは三位一体(父・子・聖霊)への信仰の表れとされる。

信仰が父に発覚するとディオスクロスは激しく怒り、彼女を地方長官に引き渡した。バルバラはキリスト教の信仰を捨てることを拒み、拷問を受けながらも信仰を守り続けた。処刑の際、父自身が剣をふるって彼女の首を刎ねたとされる。その直後、父は天からの雷に打たれ命を落としたと伝えられる。この伝説から、バルバラは「突然の死」から信者を守る聖女として崇敬されるようになり、危険な職業に従事する者たちの守護聖人となった。

Episode / エピソード・伝承

バルバラを守護聖人とする職業の多くは、突然の死や爆発の危険と隣り合わせである。砲兵・鉱夫・花火師・電気工などがその代表で、彼らはバルバラの加護によって「不意の死(秘跡なき死)」から守られると信じてきた。特に砲兵部隊での崇敬は根強く、フランスやドイツ、スペインなどの軍では今もバルバラを守護として祝う伝統が残る。

「聖バルバラの枝」と呼ばれる民間習俗もある。アドベント(待降節)の初めに、桜や林檎などの枝を切り取り、水に挿して室内に置くと、クリスマスまでに花が咲くとされる。特にドイツ・チェコ・ポーランドなど中欧で広く親しまれており、この花が咲くと翌年の幸福を象徴するという。三つの窓を持つ塔は、バルバラ図像における最も重要なシンボルとして、中世から現代に至るまで彼女の聖画像に必ず描かれる。

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