聖パウロ(使徒) - The Sacred Secret
聖人

聖パウロ(使徒)

パウロ/サウロ(本名)/タルソスのパウロ/異邦人への使徒
Saint Paul(仏)/ Saint Paul the Apostle(英)/ Sanctus Paulus Apostolus(羅)
◆ 年代5年頃〜64-67年頃
◇ 出身地タルソス(現トルコ南部キリキア州)
◆ 祝日6月29日(聖ペトロと合同)/ 1月25日(回心の祝日)
◇ 守護分野宣教師・神学者・作家・広報担当者・テント職人・ロープ職人・ギリシャ・マルタ島
◆ シンボル
剣(殉教) 聖書・書物(書簡) 蛇(マルタ島の伝承) 光(回心のヴィジョン)
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Life / 生涯

聖パウロはユダヤ人でローマ市民権を持つタルソス(現トルコ南部)出身のパリサイ人で、本名をサウロといいます。エルサレムで著名な律法学者ガマリエルのもとで学んだ知識人で、初期キリスト教共同体を誰よりも熱心に迫害した人物のひとりでした。ステファノの殉教に立ち会い、各地のキリスト教徒を捕縛してエルサレムに連行することに情熱を傾けていました。

転機は突然訪れます。ダマスコへ向かう途上、突然強烈な光に打たれて地に倒れ、「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」という声を聞きます(使徒9章)。三日間目が見えなくなったサウロは絶食して祈り続け、ダマスコのアナニアに洗礼を施されてパウロとなりました。最大の迫害者が最大の宣教者へと変わったこの「ダマスコ体験」は、キリスト教史上最も劇的な回心として今日まで語り継がれています。回心の記念日は**1月25日**です。

回心後のパウロは三回の大宣教旅行でエーゲ海沿岸・マケドニア・ギリシャ・ローマ帝国各地を旅し、各地にキリスト教共同体を設立しました。新約聖書の書簡の多くを執筆し、ローマ書・コリント書・ガラテヤ書・フィリピ書など彼の著作はキリスト教神学の根幹を形成しています。ローマ皇帝ネロの迫害下で(伝承では64年または67年頃)斬首によって殉教しました。ローマ市民であったため、逆さ十字架ではなく斬首刑とされたといいます。

Episode / エピソード・伝承

ダマスコへの途上でパウロが聞いた「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」という問いかけは、新約聖書の中でも最も印象的な場面のひとつです。「あなたはだれですか、主よ」と問い返すと「わたしはあなたが迫害しているイエスである」と答えが返ってきました。「迫害している」という言葉は、パウロがキリスト教徒を迫害することがイエス自身を傷つけていることを示しており、教会とキリストの深い一致を表すものとして神学的に重要視されています。三日間の盲目と断食の後に視力が回復したことは、文字通りの「目が開かれる」体験として古来多くの芸術作品に描かれてきました。

パウロの書簡には彼自身の人間的な葛藤がリアルに記されています。「わたしは自分の望む善はせず、望まない悪を行っている」(ローマ7:19)という告白は、信仰者の普遍的な内なる矛盾を言い表したものとして今日でも深く共鳴します。また「わたしは、どんな境遇にあっても満足することを学んだ」(フィリピ4:11)という言葉は、獄中で書かれたものであり、その重みは計り知れません。

「信仰・希望・愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは愛である」(コリント一13:13)はパウロの書簡の中でも特に有名で、世界中の結婚式・葬儀・教会で読まれ続けています。6月29日はペトロとパウロが合同で祝われる祝日で、二人はローマ教会の「双璧」として並び称されています。

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