シンボル
聖杯

聖杯

聖杯(聖体拝領のシンボル)
Calix(羅)・Chalice(英)
◆ 別称 聖体拝領、聖体礼儀
◇ 起源時代 初期教会から(最後の晩餐に由来)、カタコンベ美術に確認
◆ 関連聖句 マタイ26:26-28、ヨハネ6:53-56 ほか
◇ 関連する信心 初聖体(はじめての聖体拝領)
◆ 図像的特徴
葡萄の房(キリストの血) 麦の穂(キリストの体) ホスチア(聖体) 天使に支えられる聖杯
※聖杯は、最後の晩餐でイエスが弟子たちに「わたしの血」として渡した杯に由来し、パンとぶどう酒によってキリストの体と血にあずかる「聖体拝領」を象徴する、キリスト教で最も中心的なシンボルのひとつです。葡萄や麦の意匠が添えられるのは、ぶどう酒とパンという聖体の元になる作物を表しているためで、聖杯と一体のモチーフとして扱っています。
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Origin / 由来・語源

聖杯の直接の由来は、十字架にかかる前夜、イエスが弟子たちと共にした最後の晩餐です。マタイによる福音書26章、マルコ14章、ルカ22章、そしてコリントの信徒への手紙一11章に記されるように、イエスはパンを取って「これはあなたがたのために与えるわたしの体である」と言い、杯を取って「これはわたしの血、契約の血である」と言って弟子たちに渡しました。聖杯の図像は、この晩餐の杯そのものを指し示しています。

この出来事を受け継いで教会が続けてきたのが「聖体拝領」、すなわちパンとぶどう酒を通してキリストの体と血にあずかる礼儀です。ヨハネによる福音書6章でイエスが「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得る」と語った言葉も、この信心の重要な聖書的な根拠となっています。

Meaning / 聖書的・神学的な意味

聖杯が象徴するのは、単なる過去の出来事の記念ではなく、ミサのたびに新たにされる神秘、すなわちパンとぶどう酒がキリストの体と血そのものとなるという「実在の現存」の信仰です。聖杯を掲げ、拝領するという行為そのものが、キリストとの最も直接的な一致のしるしとされています。

聖杯とともに描かれる葡萄と麦にも、それぞれ深い意味があります。葡萄の房はぶどう酒とキリストの血を、また「わたしはまことのぶどうの木」というヨハネ15章の言葉を通してキリストご自身と信徒たちの結び付きを表します。一方、麦の穂はパンとキリストの体を象徴し、収穫された麦が挽かれ、こねられてパンとなる過程が、しばしばキリストの受難になぞらえられてきました。

History / 歴史的背景

聖杯・葡萄・麦の穂といった聖体拝領にまつわる図像は、2〜4世紀のローマの地下墓所(カタコンベ)の壁画や石棺の彫刻にすでに確認されており、魚(イクトゥス)などと並んで初期キリスト教美術を代表するモチーフのひとつでした。当時の信徒たちにとって、これらの図像は聖体拝領を通じたキリストとの一致と、死を超えた永遠の命への希望を表すものでした。

今日、聖杯や聖体拝領をモチーフにしたメダイやホーリーカードが数多く作られている背景には、「初聖体」という慣習の存在があります。カトリックの子供たちが7〜8歳頃、物心がつく年齢に達すると、はじめて聖体拝領を受ける機会が設けられ、この日を記念して家族や名付け親から祈祷書やメダイ、ホーリーカードが贈られる習わしが、とりわけ19〜20世紀のフランスやイタリアで盛んに行われてきました。アンティークの聖体拝領メダイやカードの多くは、こうした初聖体の記念品として作られたものです。

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