トゥールーズの聖ルイ - The Sacred Secret
聖人

トゥールーズの聖ルイ

トゥールーズのルイ/アンジューのルイ
San Luigi di Tolosa(伊)/ Saint Louis of Toulouse(英)/ Sanctus Ludovicus Episcopus Tolosanus(羅)
◆ 年代1274年2月9日〜1297年8月19日
◇ 出身地イタリア・ノチェーラ(アンジュー家)
◆ 祝日8月19日
◇ 守護分野バレンシア(スペイン)、フランシスコ第三会
◆ シンボル
足元に置かれた王冠 司教冠と司教杖 フランシスコ会の修道服
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Life / 生涯

ルイはナポリ王カルロ2世とハンガリーのマリアの次男として1274年に生まれました。フランス聖王ルイ9世の姪に当たる気品ある家系に育ち、幼少より信仰を培いました。14歳のとき、父王の政治的取引の担保として兄弟とともにアラゴン王の宮廷へ人質に出され、約7年間をカタルーニャで過ごしました。この抑留生活の中で、フランシスコ会士たちの指導のもとで哲学と神学を学び、清貧と奉仕への深い召命を感じるようになりました。病に伏した際には回復すれば修道士になると誓いを立てました。

解放されたルイは、王位継承権を弟ロベルトに譲り、聖職への道を選びました。ローマ教皇ボニファティウス8世により23歳でトゥールーズ司教に任命されましたが、就任前にフランシスコ会士として入会することを条件とし、素朴な修道服を身にまとって裸足でトゥールーズに入城しました。司教として貧しい人々への奉仕を惜しまず、収入の75パーセントを貧者の救済と教会の維持に充て、毎日25人の貧者を自らの食卓でもてなしたといわれます。しかし着任後わずか6か月で、おそらくチフスによる発熱のため1297年8月19日に23歳で帰天しました。1317年に教皇ヨハネ22世により列聖されました。

Episode / エピソード・伝承

ルイの列聖を受けた弟ロベルト・ナポリ王は、当時イタリア最高の画家の一人シモーネ・マルティーニに祭壇画を依頼しました。この作品(現ナポリ・カポディモンテ美術館蔵)は、二人の天使に聖人として戴冠されるルイが、自らの地上の王冠を弟に手渡している場面を描いており、権力よりも信仰を選んだ生き方を象徴しています。ルイはよく若い司教として描かれ、足元には捨てられた王冠が置かれています。

人質時代に親交を深めたフランシスコ会士アルノー・ド・ヴィルヌーヴの影響は計り知れないものでした。その後のルイの生き方は、富と権力を誰よりも近くに持ちながら、それをすべて手放す選択をしたことに尽きます。彼は司教に就任する際、「イエス・キリストは私の王国であり、その他のものはすべて虚しい」と語ったと伝えられ、この言葉は彼の短くも輝ける生涯を端的に表しています。バレンシア(スペイン)の守護聖人として今も深く崇敬されています。

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