十字架

フランシスカン クロス

タウの上でキリストとフランシスコの腕が交わる、フランシスコ会の正式な紋章
Franciscan Coat of Arms(英)/ Armoiries franciscaines(仏)
フランシスカン クロス
※ タウ十字を土台に、キリストとアッシジの聖フランシスコ、二人の腕が交差する紋章。当店のタウ十字・サン・ダミアーノの十字架のページとはまた別の、フランシスコ会そのものを表す公式の紋章です。
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Origin / 由来・語源

フランシスカン クロスは、フランシスコ会という修道会家族全体を表す、正式な紋章です。土台にはタウ十字が据えられ、その手前で二本の腕が交差します。一方はそでのない裸の腕でキリストを、もう一方はフランシスコ会の会服の袖をまとった腕で聖フランシスコを表し、両方の手のひらには同じ場所に傷が刻まれています。この二本の腕が交わる構図は、フランシスコ会の伝統の中で「コンフォーミティ(合致・一致)」と呼ばれ、フランシスコがどれほど深くキリストに自らを重ね合わせたかを、一目で伝える図像となっています。

Meaning / 聖書的・神学的な意味

キリストの裸の腕に刻まれた傷は、十字架上で釘打たれた傷そのものであり、人類に注がれた神の愛を表しています。一方、会服をまとったフランシスコの腕に刻まれた、同じ場所の傷は、聖痕(スティグマータ)を指しています。1224年9月、生涯を終える2年前、フランシスコはラ・ヴェルナ山で祈りの最中に、キリストの受難の傷を自らの身体に受けたと伝えられており、これはキリスト教の歴史上、最初に記録された聖痕の事例とされています。二本の腕がまったく同じ場所に傷を負って交わるこの図像は、フランシスコがキリストを遠くから仰ぎ見るだけの存在ではなく、その愛と苦しみに深く応え、自らの生き方そのものをキリストに重ね合わせようとした生涯を、静かに物語っています。土台にタウが据えられているのは、フランシスコがもう一つ、生涯にわたって愛し続けたしるしと、この聖痕の物語とを一つに結び合わせるためでしょう。

History / 歴史的背景

タウ十字が1215年の第4ラテラン公会議という、はっきりとした一つの出来事をきっかけにフランシスコの元へたどり着いたのに対し、この紋章がいつ、誰の手によって今の形にまとめられたのかは、はっきりとは分かっていません。フランシスコの死後、聖痕という出来事がタウと並んで彼を象徴する図像として広く語られるようになるにつれ、この二つの要素が長い年月をかけて一つの紋章へと結晶していったと考えられます。今日この紋章は、フランシスコ会第一会(フランシスコ会士)・第二会(クララ会の修道女たち)・第三会(在俗フランシスコ会)を含む、フランシスコ会という一つの大きな家族全体を表す、公式かつ普遍的な紋章として、会服や印章、建物の壁面から信心具に至るまで、世界中で用いられ続けています。首から下げるシンプルなタウ十字が個人の信仰のしるしであるとすれば、このフランシスカン クロスは、フランシスコ会という共同体そのものが何を大切にしてきたかを表す、いわば会の"顔"と言える紋章です。

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