聖エリギウス - The Sacred Secret
聖人

聖エリギウス

エリギウス/エルイ/エロワ
Saint Eloi(仏)/ Saint Eligius(英)/ Sanctus Eligius(羅)
◆ 年代588年頃〜660年12月1日
◇ 出身地フランク王国・カテッラクム(現フランス・リモージュ近郊)
◆ 祝日12月1日
◇ 守護分野金細工師・ジュエリー職人・宝飾職人・鍛冶師・金属工・馬具職人・時計職人・コイン職人・馬・獣医
◆ シンボル
金槌 金床 馬の蹄鉄 司教の法衣 金の杯
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Life / 生涯

エリギウスは588年頃、フランク王国のカテッラクム(現在のフランス南西部、リモージュ近郊)に生まれた。幼い頃から金属細工の才能を示し、リモージュで金細工師の修業を積んだのち、フランク王国の財務長官アボに仕えるためパリへと向かった。その卓越した腕前はまもなく宮廷に知れ渡り、国王クロタール2世(在位584〜629年)の目に留まる。

エリギウスが名声を確立した逸話として、王の玉座のために命じられた黄金製の鞍の制作がある。与えられた材料を卓越した技術で節約し、同じ材料から鞍を2つ完成させて王に献上したと伝えられる。王はその誠実さと腕前に感服し、以後エリギウスを重用した。王宮の鋳造場(工房)を任され、コインや聖遺物箱、祭具など数多くの傑作を生み出した。彼の手になる王冠・杯・祭壇装飾品は、フランク王国随一の精巧さを誇ったという。

その後継者ダゴベルト1世(在位629〜639年)の治世にもエリギウスは重臣として仕え、宮廷顧問・外交使節としても活躍した。財産の多くを貧者の救済と聖人の聖遺物の購入に費やし、パリに修道院や礼拝堂を複数建立した。639年頃に司祭に叙階され、641年にはノワイヨン=トゥルネーの司教に任命される。司教として20年近く、精力的に伝道活動を行い、フランドル・フリジア地方への宣教にも力を注いだ。660年12月1日、ノワイヨンにてその生涯を閉じた。

Episode / エピソード・伝承

エリギウスにまつわる最も有名な伝説は「馬の蹄鉄」の奇跡である。ある日、手に負えない荒れ馬を蹄鉄装着のために連れてきた馬丁が現れた。エリギウスは馬を傷つけまいと、その足を一旦切り離して鉄を打ち、再びつなぎ合わせたとされる。この伝説から、馬・鍛冶師・獣医の守護聖人として崇敬されるようになった。

奴隷解放にも熱心で、財産を投じてローマ人・ブリトン人・ムーア人など多くの奴隷を買い取り、自由を与えたと伝えられる。彼を慕う者たちはその周囲に集まり、後に修道共同体へと発展した。エリギウスはまた、遺体が腐敗しない奇跡(不朽体)でも知られ、中世を通じてフランスで最も人気のある聖人の一人であり続けた。今日も金工・鍛冶・時計職人など金属を扱う職人たちの守護者として、ヨーロッパ各地で篤く崇敬されている。

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