聖人

聖ヒエロニムス

ヒエロニムス/ジェローム/ジェロニモ
Hieronymus(羅)/ Saint Jerome(英)/ Saint Jerome(仏)/ San Girolamo(伊)
◆ 年代347年頃〜420年9月30日(享年70歳頃)
◇ 出身地ストリドン(ダルマティア、現クロアチア)
◆ 祝日9月30日
◇ 守護分野翻訳者・通訳者・図書館員・聖書学者・学者・考古学者・古書商
◆ シンボル
ライオン 頭蓋骨(死の黙想) 書物・巻物 枢機卿の帽子(慣習的) 石(苦行)
聖ヒエロニムス

Cornelis Galle (I) (after David Teniers (I)), H. Hieronymus, 1610-1633
Rijksmuseum, Amsterdam. Public domain.

Life / 生涯

聖ヒエロニムスはダルマティア(現クロアチア)に生まれ、ローマで修辞学・文法・哲学などの古典教育を受けた知識人です。洗礼を受けた後、各地を旅しながら信仰を深め、シリアの砂漠での厳しい隠修生活を経験しました。ローマに戻った後は教皇ダマスウス1世の秘書を務め、教皇の死後、東方のベツレヘムへ移住して修道院を建て、残りの生涯を聖書研究と翻訳に捧げました。

ヒエロニムスの最大の功績は、聖書全体をラテン語に翻訳した「ウルガータ訳聖書(Vulgata)」の作成です。ヘブライ語の旧約聖書・ギリシャ語の新約聖書を底本として、当時の民衆が理解できるラテン語(ウルガータ=民衆語)に訳したこの聖書は、カトリック教会の公式ラテン語聖書として約1500年にわたって使用され、トリエント公会議(1546年)でその権威が正式に確認されました。

西方教会の「四大教父」(アウグスティヌス・アンブロジウス・グレゴリウス・ヒエロニムス)の一人として数えられ、420年にベツレヘムで亡くなりました。

Episode / エピソード・伝承

ヒエロニムスの最も有名な伝承は「ライオンのとげ抜き」です。修道院にライオンが足を引きずって現れたとき、他の修道士たちが逃げる中、ヒエロニムスは近づいてそのたびに刺さったとげを抜いてやりました。ライオンは恩義を感じてその後修道院に留まり、ロバの番をして働いたと伝えられています。この伝説はほぼ同じ内容が聖ゲラシムスの伝承にも見られますが、美術においてはヒエロニムスの象徴として定着しています。

ヒエロニムスの図像は美術史において非常に多様で、砂漠で苦行する痩身の老隠修士・書斎で聖書を訳す学者・ライオンを従えた修道士など、様々な形で描かれました。カラヴァッジョ・デューラー・ダ・ヴィンチ・エル・グレコなど数多くの巨匠が彼を描いており、キリスト教美術の中でも特に画家に人気の高い主題の一つです。

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