聖人

聖アントニオス(エジプト)

エジプトの聖大アントニオス/アントニウス・アッバス/すべての修道者の父
Saint Antoine le Grand(仏)/ Saint Anthony the Great(英)/ Antonius Abbas(羅)
◆ 年代 251年頃〜356年1月17日(享年約105歳)
◇ 出身地 コマ(現エジプト、上エジプト地方)
◆ 祝日 1月17日
◇ 守護分野 修道者・農夫・籠職人・皮膚病・動物・墓掘り人
◆ シンボル
Tau十字(T字の杖) 砂漠の修道士の衣 書物
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Life / 生涯

251年頃、現在のエジプト上エジプト地方コマの裕福なキリスト教徒の家に生まれました。両親が亡くなった20歳のころ、教会でのミサ中に「完全になりたければ、財産を売って貧しい人に与え、わたしに従いなさい」(マタイ19:21)という福音書の言葉を聞き、全財産を貧者に施します。

その後、砂漠の隠修士のもとで修行を積み、286年頃にはナイル川沿いの廃墟の砦ピスピルに籠もり完全な孤独の中で生活を始めます。この20年間に及ぶ隠遁の中で、悪魔の激しい誘惑と霊的な闘いを経験したと伝えられています。305年頃に姿を現したアントニオスは、長年の苦行にもかかわらず心身ともに健康で輝いていたと言われています。

その後は弟子たちの共同体の霊的父となり、311年にはアレクサンドリアへ赴いて迫害下のキリスト教徒を励まし、晩年には砂漠の奥地コルジム山に移り住みます。356年1月17日、約105歳で平和のうちに生涯を終えました。

Episode / エピソード・伝承

悪魔の誘惑との闘いはアントニオスの生涯において特に有名なエピソードです。砂漠での修行中、悪魔は金銀財宝や美女の幻、獣の群れなど様々な姿で彼を試みたとされています。これらの場面はヒエロニムス・ボス、サルバドール・ダリ、フローベールなど多くの芸術家・文学者たちにインスピレーションを与え、「聖アントニウスの誘惑」として西洋芸術の重要なテーマとなりました。

また「聖アントニウスの火」という名で知られる麦角中毒(エルゴット中毒)は、中世ヨーロッパで猛威を振るった皮膚の壊疽を伴う病です。苦しむ人々がアントニオスの聖遺物に癒しを求めて巡礼したことから、皮膚病・疫病の守護聖人として広く信仰されるようになりました。

アントニオスの伝記『聖アントニウスの生涯』はアレクサンドリアの聖アタナシオスによって書かれ、ラテン語に翻訳されて西方世界全体に広まります。この書は後に聖アウグスティヌスの回心を促したことでも知られています。

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