結び目を解く聖母マリア - The Sacred Secret
聖母

結び目を解く聖母マリア

結び目をほどく聖母/ノットをほどくマリア
Notre-Dame qui defait les noeuds(仏)/ Our Lady Undoer of Knots(英)/ Maria Knotenlöserin(独)
◆ 絵画制作ヨハン・ゲオルク・シュミットナー作、1700年頃(バイエルン)
◇ 崇敬の起源アウグスブルク(ドイツ)
◆ 祝日9月28日
◇ 守護分野家族の問題、夫婦の危機、人生の困難の解決、霊的・情的な束縛からの解放
◆ シンボル
結び目のあるリボン(解きほぐす両手) 天使 白い鳩 月と星
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Life / 生涯

「結び目を解く聖母」は聖母マリアへの称号の一つで、特定の歴史上の聖人や出来事ではなく、マリアの「とりなし」の働きを象徴する信心に基づいている。その起源は17世紀のドイツにおける伝承と、1700年頃にバイエルンの画家ヨハン・ゲオルク・シュミットナーによって描かれた絵画にある。

絵画の神学的根拠は2世紀の教父イレナエウスの言葉に由来する。「イヴが不従順によって結んだ結び目を、マリアの従順が解いた」という洞察から、マリアが人間の罪や困難という「結び目」を解く取次者として描かれるようになった。シュミットナーの絵では、聖母が長いリボン(または帯)の結び目を一つずつ解いており、上方には聖霊の白い鳩、下方には古い蛇を踏みつける天使が描かれている。

この崇敬はアルゼンチンのブエノスアイレスに留学中の若き司祭ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(後の教皇フランシスコ)が1986年にアウグスブルクで絵画のコピーを入手し、帰国後アルゼンチンに広めたことで南米に普及し、世界的な信心となった。現在は9月28日が祝日とされ、9月20日から28日の9日間ノヴェナを捧げる習慣も広まっている。

Episode / エピソード・伝承

シュミットナーの絵画が描かれた背景には、ある家族の物語があるとされる。17世紀のアウグスブルクで、ヴォルフガング・ラングマンテルという貴族の男性が妻との婚姻関係の危機に直面し、結婚時に受け取った妻の飾り帯(リボン)を持ってイエズス会士ヤコブ・レンに助けを求めた。司祭はこの帯を聖母に捧げてとりなしを願うと、結び目が一つずつほどけていき、夫婦の関係も回復したという。この伝承がシュミットナーの絵のインスピレーションの源になったと伝えられる。

「結び目」は人生の困難、罪、家族の断絶、霊的な束縛など、私たちを縛るあらゆるものの象徴とされる。聖母マリアへの「はい(フィアット)」の答えが人類の救いの結び目を解いたとするイレナエウスの神学は、この信心の神学的核心となっている。教皇フランシスコは教皇就任後もこの信心への深い愛着を示し、バチカンでの聖母像設置などを通じて世界に広めた。

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