聖人

聖パトリック

アイルランドの使徒/シャムロックの聖者
Saint Patrick(仏・英)/ Patricius Hibernorum(羅)/ Naomh Pádraig(ゲール語)
◆ 年代 385年頃〜461年3月17日(享年約76歳)
◇ 出身地 ローマン・ブリテン(現イングランドまたはウェールズ)
◆ 祝日 3月17日(アイルランドでは義務祝日)
◇ 守護分野 アイルランド・ナイジェリア・ニューファンドランド・技術者・蛇よけ
◆ シンボル
シャムロック(三つ葉) 司教の杖・蛇 緑色(アイルランドの色) ケルト十字
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Life / 生涯

385年頃、ローマ支配下のブリテン島に生まれました。父は地方官吏でキリスト教の助祭でした。16歳のとき、アイルランドの海賊に拉致されて奴隷として連れ去られ、アイルランドの野原で6年間羊飼いとして過ごします。この孤独で過酷な年月の中で信仰が深まり、やがて夢のお告げで「逃げよ、船が待っている」という声を聞きます。脱走してブリテンへ帰還したパトリックは、その後大陸の修道院で神学を学び、司教に叙階されます。そして再び夢の中でアイルランド人の声が「戻ってきて私たちと共に歩いてください」と呼びかけ、約432年にアイルランドへの宣教師として戻ることを決意します。

以後30年近く、アイルランド全土を旅しながら首長・王族を含む多くの人々に洗礼を施し、修道院・教会・学校を設立します。461年3月17日に帰天するころにはアイルランドはほぼキリスト教化されており、彼は「アイルランドの使徒」と呼ばれるようになりました。正式な列聖手続きなしに(10世紀以前の慣行で)聖人として崇敬されています。

Episode / エピソード・伝承

パトリックにまつわる最も有名な伝説は「シャムロックで三位一体を説明した」というものです。アイルランド王アオンガスにキリスト教の「父・子・聖霊」という三位一体の概念を説明する際、一本の茎から三枚の葉が生える三つ葉クローバー(シャムロック)を使って説明したとされています。この話は17世紀以降に記録されたものですが、シャムロックはアイルランドの国民的象徴となりました。また「アイルランドから蛇を追い払った」という伝説も有名です。氷河期以降アイルランドには実際に蛇が存在しませんが、蛇は異教・悪霊の象徴とされており、この伝説はキリスト教化による異教の追放を比喩的に表しています。

パトリックが自ら記した「告白(コンフェッシオ)」と「コロティクスへの書簡」は、5世紀の生の声を伝える貴重な文書として今も読まれています。毎年3月17日のセント・パトリックス・デーは世界中のアイルランド系コミュニティが緑を身につけてパレードや祭りを開催する祝日となっており、世界でも有数の規模で祝われる聖人の祝日です。

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